目次
プロローグ
ねぇ?あなたは、どこを見ているの?
結婚した後の私はあなたにとって何になるの?
いつの間にか言われなくなった。 好きだよ…とも、愛してる…とも。
私は「愛してる」って言ってほしい。
誰かに「好きだよ」って言ってほしい。
テーブルの向こうのあなたはどこを見ているの?
ねぇ?
本当は私、 あなたにも、好きだよ…って、言いたいよ?
本当に愛してる…けど…
お互い言えなくなっちゃったね。
__淋しいね、恭介…
《言ノ檻 起動します》
請求書と共に擦り切れる心
佐倉恭介(さくら きょうすけ)は今日も新聞を広げていた。
不服そうに妻の真央が言う。
「ちょっと!ご飯の時は新聞を広げないでよ」 仕方ないので渋々、新聞を片付けた。
「新聞の情報は後々仕事に生かされるんだけどな…?」と、俺が小声で言うと、 「何?食べるときくらい、こっち見てくれてもいいでしょ?」
今日は機嫌が悪そうだ。
俺達は結婚して10年になる、子供はまだいない。
妊活中。
真央はちょっと焦ってるのが分かる。
30歳目前だもんな、俺のお母さんにも何か言われてるみたいだけど、言ってはくれない。
それだけ頼りないのかもしれないけどさ…。
けど、俺だって仕事で疲れてる。 受精するタイミングだって合わせてる。
これも、愛することなのに、業務的な感じで萎えるけど…。
俺だって頑張ってる はず……だよな?
最近、真央の心が分からない。
どうも今、AIをダウンロードしてるみたいで、俺と喋るよりAIと喋る方が楽しそうだ。
なんだか どんどん心が離れて行っている気がする。
気の所為ならいいんだけど…、 そして気が付けば 真央宛に……
請求書が来ていた。
― To be continued… ―(続きはKindleで)
