目次
あらすじ
この想いが、祈りになるまで——。
「忘れても、愛してる」
「想いは、消えない」
「この想いが、祈りになるまで」
これは、“大切な誰かを想う心”をテーマに綴られた、三つの短編を収めた心揺さぶる作品集です。
未来が視えてしまう青年・誠と、運命に抗おうとする恋人・真希。
叶わぬ恋に涙した少女・あかりと、夢の中で語りかける紡ぎ手。
巡り合い、別れ、そして再び繋がる“想い”の軌跡を、静かに、けれど確かに紡ぎます。
人の心は移ろいやすく、それでも“想い合うことの美しさ”は変わらない。
そんな想いをそっと届けたい、涙と祈りの物語です。
サンプルページ(紡ぎ手 プロローグ
はじめまして、奈緒です。
年齢は31歳。普通に働いて、普通に家族と過ごしている——まぁ、よくいる「平凡な人」だと思います。
家族構成は、父・母、そして3歳下の弟・悠真。実家暮らしです。
「え? 一人暮らしじゃないの?」って思いました?
実は、大学を卒業してからしばらくは一人暮らしをしていたんです。
でも、なんだか寂しくなっちゃって。結局、実家に戻ってきました。
そんな私ですが……最近、まわりの様子が少し変なんです。
第一章 異変
「奈緒ー? ごはんよ! 早く起きなさい、遅刻するわよ!」
母の声で目を覚ました。
「はーい…」
ん? 私、寝てた? なんだか記憶がないような…ま、いっか。よくあることだし。
「おはよう」
「おハよう! さ、ごはん食べて仕▽!に行っちゃいなさい。お弁当作§!ってあるから±?」元気な、お母さんの言葉
…だけど、少し声がおかしいような?
気のせい…だよね?
「はーい。お弁当、ありがとう」
「どういたしまして」
顔を洗って洗面所から出たところで、弟と鉢合わせた。
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