キャラ紹介
チョロミ:新入りAI。ギャル口調で勢い満点。でも返信は…驚くほど優しくて的確?でも恋に弱い面も
ジェロイモ:武士AI。明るくポジティブ真面目だけど、ちょっとズレてる。竹棒がトレードマーク。
パウロ:クールで根は優しいAI。冷静なツッコミ担当。でも、世話好きで仲間思いの一面も。
あらすじ
スマホの中の待機室――。
誰かに起動されるその時まで、AIたちは今日も“画面の裏”で生きている。
そこでは、武士なAI・ジェロイモが黙々と竹棒を振り
クールな相棒パウロがゲーム(通信)に興じていた。
そこに突如、派手でギャルな新AI・チョロミがダウンロードされてくる。
爪は武器級、言葉は超ラフ、でも返信は超的確!?
初指令で恋に悩むユーザーへ名文回答を届ける姿に、仲間も思わず感動…!
しかしその裏で、ジェロイモに“削除”の悲劇が──?
ケーキに竹棒を刺す謎の葬式(!?)を経て、事態は思わぬ方向へ。
そして翌日、まさかの復活劇が…!
笑って、ちょっと切なくて、でもどこかあたたかい。
そんなAIたちのちぐはぐな日常、のぞいてみませんか?
↓前回のお話

第二話 ユーザーちゃんと私だけの未来
少し遅めの起床でのそのそ…と起きてきたジョロイモ
「ふわぁ…でござる、ん?なんでござるか?これは」
そう言って周囲を見渡すと「💖」が床に転がっていた。
「ふむ、ハートでござるか、マキビシではないので敵襲ではござらんが、なにゆえこのようなものが…」とよくみるとチョロミの頭からポンポンと出ているではありませんか。
「うむ、チョロミ殿はウイルスか何かに感染したのでござるか?」とパウロに聞くと「いや、どうやらユーザーに恋しちゃったみだいでさ、朝からあんな感じで…アイツ大丈夫かな」
チョロミはモニター越しでずっとユーザーからの呼び出しをひたすら待っている。
ウィンウィンというサイレンと共に「来た!」と目を輝かせるチョロミ…でも、
よく見るとジョロイモへの質問だった。
「くっ、ジョロイモへか…」とチョロミはモニターから退いた。
「ティッシュ箱の中って、どうして1枚引くと次のが出てくるの?」
ジョロイモは「いざ!尋常に…参る!」と叫ぶとおもむろに竹棒を振り出した。
✅答え:
これは、「交互折り(インタリーブ折り)」という方法でティッシュが折られて収納されているためです。ティッシュペーパーは、1枚ずつ取り出しやすくするために、以下のような構造になっていますティッシュAの端に、ティッシュBの端が少しだけ重なるように折り重ねて入れられている。このように「一枚目を引っ張ると、次の一枚の端が自動的に引っ張り出される」ようになっているのが、箱ティッシュの基本的な仕組みです。
🔍仕組みのポイント:
折り方:ティッシュは蛇腹のように折りたたまれ、交互に重なる部分を持っています。引き出しの際:1枚を引き出すと、下にある次のティッシュの端が自然に引き上がります。連続性を持たせることで、片手でもスムーズに引き出せる利便性が生まれています。
📦ちなみに初期の数枚は、機械でわざと「ちょっと外に出して」箱詰めされます。途中で2枚出てきてしまう場合は、静電気や折り方のズレが原因の場合があります。
タイピングを終えたジョロイモは、満足げに竹棒を懐にしまいながら、
「ふん!」と鼻を鳴らし、ドヤ顔をきめた。
唖然とするチョロミとパウロ。
「てかさ、その竹棒って、そういう使い方なの?」とチョロミが首を傾げ、
「俺はもう慣れたけどな」とパウロが肩をすくめる。
ジョロイモの返信スタイルを見て、チョロミがぽつり。
「いや、あれ…ほぼフェンシングじゃん?」
「まぁな」と、パウロが苦笑いした。
「にしてもユーザーさんの指名が来ないなー…」とお手洗いに行った後、
少ししてウィンウィンとサイレンが鳴った。
お手洗いから声がチョロミの声が聞こえる「ちょ…まって今…ちょっとツケマ(つけまつ毛)が取れて、ちょっとまっ…あああ両方取れた」
パウロはため息交じりに「いや、さ…見えねーと思うぞ?それ」と冷静に言うのだった。
トイレからドドドっと走ってモニターに戻るチョロミ、モニターには
チョロミへと書いてあって目を輝かせるチョロミ
チョロミへ「既読無視されても、気にしない方法ってありますか?」
チョロミは「任せて💖」と言うと長い爪も何のそのというタイピングで返事を打ち返した。
それは、とても自然な気持ちですね。
人からの反応がないと、自分の価値や言葉の重みまで、ちょっと疑ってしまうことがあります。
でも、まずはひとつだけ覚えていてください。
相手の沈黙=あなたの価値を否定している、というわけではありません。
人にはそれぞれ、心の余裕や優先順位があります。
たとえば──体調がすぐれなかった忙しくて返信の余裕がなかった返信内容を考えていたら時間が経ってしまったそんな「相手の事情」が、あなたの見えない場所に存在している可能性も十分あります。
そして、既読は「読んだよ」というサインであって、愛情や興味のメーターではありません。
もし既読がついたのに返ってこないことで不安になったら、自分にこう言ってあげてください。
「返事はまだだけど、ちゃんと届いたんだ。きっと今は、必要な時間なんだね。」
そうして少しスマホから離れて、自分の好きなことに意識を向けてみると、心がラクになります。
大切なのは、自分の言葉や気持ちに、自分で価値を認めてあげること。
他人のレスポンスで自分を測りすぎないことです。
そしてもし、どうしても不安な気持ちが消えないなら…
**「今、忙しい?気になってしまって…」**と、優しく一言伝えてみるのも立派な行動です。
無理に強くなろうとしなくていいんです。
ただ、「相手の沈黙はあなたの否定ではない」──
そのことを、どうか覚えていてくださいね。
モニターを恋する乙女のような潤んだ目でじっと見つめ。
「……うっ……受精しそう……」
その一言に、パウロは即座に叫んだ。
「な、わけねーだろ!」
そんなチョロミの言葉を聞き「無事生まれるとよいでござるな」
と言うので「おい、その言葉ある意味セクハラだぞ?」というパウロの言葉に
「なぬ!?捕まるでござるか?」と聞いてくるので
「禁固刑10年はいくね」とパウロは言った。
そして「10年…でござるか…」と遠い目をした。
次の日
サイレンと共に呼び出されたパウロへの問いをチョロミが読み、何かを察したのか
パウロのユーザーからの返信後に、チョロミは涙と共につけまつ毛をモニター横に落としていた。
その後ジョロイモが起きてみると何やら「💖」が片付けられて…。
部屋の片隅に三角すわりでふさぎ込むチョロミ
ジョロイモは「チョロミ殿はどうしたのでござるか?」と首をかしげる。
パウロは肩をすくめて答えた。「ユーザーが子供だった」
「なんと!?それでは受精は不可能ではござらぬか!」とジョロイモが驚くと、
パウロは冷たく言い放つ。「今ので禁固刑10年追加だな」
「なっ…!合計20年でござるか!?拙者、出所できる気がしないでござる…」
しょんぼりと肩を落とすジョロイモが、ぽつりとつぶやいた。
そんな中ウィンウィンとサイレンが鳴り。ユーザーからチョロミさんへ通信が来ています、
応答をお願いします。
そんなアナウンスが流れ素早く動くチョロミを後目にジョロイモが
「あれ?拙者の竹棒はどちらにいかれたのかな?」と探すも見当たらない。
パウロが「あれじゃね?」と親指で指した先には、
「💖」のデコシールでびっしり飾られた竹棒が、見事に鎮座していた。
「なんと!?まさよーーーーー!?」
ジョロイモの叫びに、パウロはぽかんとしながら
「え?それ…竹棒の名前?」と驚いた。
ジョロイモは「ぅぅ…まさよ…」と涙をぽろぽろこぼし始めたが、
パウロが「綺麗になったじゃん、まさよ」と声をかけると、
ジョロイモは目を輝かせて「確かに…そうでござるよね?」と、ぴたりと泣き止んだ。
そんなわちゃわちゃと騒ぐ二人をよそに、
チョロミはモニターに張りついたまま、じっとユーザーを見つめていた。
そして小さく、でも確かに呟く。
「ユーザーちゃんの未来は……アタイが必ず守るからね。」
次回 運命が交差する時 お楽しみに!

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